4月と言うと日本では新年度になりますが、株式市場も4月は比較的上昇傾向になりやすいと言われる事が多いです。必ずしも株式市場の上昇局面になるとは言えないもののなぜ上がりやすい環境になるのか気になる人も多いと思います。
今回はなぜ4月は日本の株式市場が活発になると言われているのかを考えていきましょう。
企業や機関投資家が株を買う
やはり企業や多くの資産を預かって運用する機関投資の動向は日本市場に与える影響は大きいです。特に個人での資産運用が諸外国と比べると活発でない日本では企業や機関投資家が動かす資金が占める割合が多いです。そのため個人以外の投資動向は注目するべき資金源なのです。
企業年金や公的年金から買いが入る
企業年金や公的年金を運用する機関投資家からの買いが4月には入りやすい状況になります。このような投資家が運用する資金は大きいので出来高も時価総額も少ない新興株よりも一部市場の大型株が中心になる事が多いです。
企業年金は企業の資金が豊富な時の方が投資にあてる資金も確保しやすいので、その時の世の中全体の景気にも影響されそうです。
自社株買いをしやすい時期
日本企業は3月末に本決算を迎える企業の割合が多い事で自社株買いをしようと思っていても3月の決算前にはなかなか買いにくい事で先延ばしにするケースが多くなります。それが3月末を超えて4月に突入すると自社株買いをしやすくなって株価上昇に寄与します。
ただし4月に株価が上がりやすいと言われ始めたのはかなり前からであってその当時と比べると日本経済は良い状態とは言えないので、企業の投資は昔ほど活発ではないと思われます。
個人投資家からの買いも入りやすい
機関投資家の扱う資金の量が多い事で個人投資家の動向を忘れがちですが、個人の投資家達の動向も4月相場に大きな影響を与えます。4月だからといって特別個人投資家達の資金源が増えたり、資金を投下しやすい環境になるわけではないにしろ投資をしたくなる環境が4月にはあります。
4月の上昇相場に乗ろうとする
4月は株式市場が活発になりやすいと言われている事を知っている投資家の方が多い為にそのアノマリーに乗ろうとする投資家も当然出てきます。そうなると4月には自然と個人投資家もポジションをロングで持つ傾向が強くなってきます。
それと同時に4月に空売りのポジションを新たに入れたり、以前から持っているショートポジションを持ち続ける事が難しくなって売り圧力も弱くなりやすいです。
3月に割安株が発生しやすい
彼岸底と言われるように3月には売りが優勢になりやすい時期です。3月末に決算を迎える為に投資に行動を起こす企業は少なくなりますし、機関投資家の動きも鈍くなります。
その為4月のアノマリーとは真逆で2月に天井をつけた株価は3月に底をうつというアノマリーが良く語られます。これに従って3月の市場に参加する投資家達が自然とポジションを取るのを控えたり、含み益の利益確定を行いやすい環境になります。
さらに日本の上場企業には配当金だけでなく、投資家に人気の高い株主優待を実施している企業も多いです。それによって3月の末の権利確定日の前後にはイベント投資家の売りや優待を貰う事が目的の投資家の売りが入りやすいです。これらの影響で4月に突入すると比較的割安の状態になっている銘柄が他の時期より増える事でポジションを取ろうとする投資家が増える傾向があります。
まとめ
4月の株式市場は活発に資金が入りやすいというのは嘘ではありませんが、昔の日本経済と現在の状況は同じではありません。その為傾向はあっても言われるほど顕著に株価が推移するとは限りません。
それでも株価が上昇傾向になりやすい環境がある以上はそれを知った上で投資をしていくとリスクを極力抑えながら最大限のリターンを狙う事が可能だと思っています。