日本市場のニュース

2020年後半から2021年は旅行関連銘柄に期待

2020年前半に新型コロナウィルスの影響が全世界に波及して、自粛モードに入ったことで世界中の全業種が打撃を受けました。もちろん株式市場も大打撃を受けたわけですが、特に厳しかったのはサービス系の分野です。

ただし飲食店などは業態にもよりますが、営業を続けるところもあってなんとか利益を確保する企業もありました。むしろデリバリーが強い企業は前年対比で増収増益という企業もあるくらいです。

一方で旅行関連は人の移動を制限した事で、完全に落ち込んでしまいました。むしろ完全休業状態になった業界と言っても良いかもしれません。旅行代理店はもちろんですが、観光客を受け入れる宿泊施設、テーマパークや観光地の小売りなども壊滅的です。

さらに交通系も深刻で人の長距離移動がなくなって航空関連も鉄道関連も収益が激減です。当然株価の方も特に売られるセクターとなってしまいました。

そんな中で観光業などサービス業への支援策として

国内旅行の代金の補助や飲食店で使えるクーポン券などに計約1・7兆円の予算を確保しており、業績の回復につなげる。  喚起策は「GO TO キャンペーン」との名称で、国内旅行の代金を半額補助(1泊あたり最大2万円)するほか、土産物店などで使えるクーポン券を発行する。飲食店向けのプレミアム付き食事券の発行や、イベントチケットの割引なども実施する予定だ。

との事です。

今後少しづつ国内の移動が増えたり渡航の解禁で観光業も回復していくとは思いますが、こうした施策によってより勢いづく可能性が高まってきました。さらに東京オリンピックが2021年の夏に延期されたことで、これからオリンピックによる観光業の需要が控えています。これらの事を考えるとコロナウィルスの感染拡大で、一気に売り込まれて割安になった旅行関連銘柄にここから期待できると思っています。

・旅行代理店銘柄

・テーマパーク、ホテル等の宿泊施設銘柄

・交通関連銘柄

この4つに分けて注目している銘柄を紹介していこうと思います。

旅行代理店銘柄

旅行関連というと旅行代理店の銘柄が真っ先に頭に浮かぶと思います。ただしコロナウィルスの感染が拡大する中では、特に売られて業績も悪化した銘柄なので復活のタイミング投資できれば大きなリターンを得られます。

エイチ・アイ・エス

エイチ・アイ・エス(9603)は国内の旅行会社の大手です。国内、海外ともに取り扱っていて、総合的に旅行のプランを提供している企業です。コロナウィルスの影響で特に影響を受けたのは海外旅行ですが、国内も緊急事態宣言の影響で大打撃を受けました。

一時は年初来最高値からは半値あたりまで下落しましたが、高値の3分の2あたりまで回復しています。しかし元の水準には戻っていないので、今後1年から2年ほどは特に注目の旅行銘柄です。

旅工房

旅工房は時価総額100億円以下の発展途上の旅行会社です。大手旅行会社と違う特徴は、ネット専門で展開しているところです。楽天トラベルや一休のシェア拡大からも分かるように、旅行代理も実店舗を持つのではなくネットがこれからの主流となりそうです。

実店舗を多く持つ大手旅行会社と比べて低コスト化しやすい事業形態である事と、近年の成長率の高さから旅行関連の注目グロース株という印象です。

それゆえコロナショック前はかなり割高に推移していましたが、現在は少し以前よりも割安水準になっています。もちろんコロナウィルスの影響は受けているので、今後の業績には注意していくべきですが、旅行関連の注目グロース株を拾えるチャンスでもあると思っています。

ユーラシア旅行社

ユーラシア旅行社も大手旅行会社と比べると比較的小規模な旅行会社です。ユーラシア旅行社の特徴は海外旅行に慣れた旅行者向けに海外旅行を企画して販売しています。

その為海外旅行と言っても他の旅行会社では企画しないような内容の海外旅行を取り扱っています。他にはない特徴を持っている旅行会社なので、他のとの差別化もされていて期待できる企業です。

海外旅行がメインになってくるので、コロナウィルスの収束ともに少しずつ各国で渡航禁止が解除される中で業績の上昇に期待です。

テーマパーク、ホテル等の宿泊施設銘柄

旅先では宿泊施設の利用が主流なので、旅行客が増えれば宿泊施設の利用も増えます。コロナショックで旅行会社と同じく打撃を受けた業界ですが、こちらも今後の回復に期待できるセグメントです。さらにテーマパークを目的に遠出をする人達も多いですが、緊急事態宣言によって休業していた企業も多いのでテーマパーク系の銘柄にも回復が期待できます。

オリエンタルランド

オリエンタルランドは東京ディズニーランドを運営している企業です。コロナウィルスの感染拡大を受けて、休園を続けていましたが株価の方はそれほど崩れませんでした。それだけ一時的に業績が悪化しても、回復するだけの力があると市場に評価されているわけです。

流石に今期の業績は落ち込みますが、日本国内でも最もメジャーなテーマパークなのでコロナウィルス終息後は期待が持てます。

星野リゾート・リート

星野リゾート・リートは個別銘柄でなく、Jリートです。星野リゾートがスポンサーで星野リゾートが運営するリゾートの不動産を中心に、他社の宿泊施設も組み込まれています。

コロナショックでJリートの大暴落もあって、このリートも例外ではありませんでした。星野リゾートの不動産を中心にしている星野リゾート・リートはコロナショックで大打撃を受けた分だけリバウンドにも期待です。

帝国ホテル

帝国ホテルは高級ホテルとして有名で東京オリンピックの恩恵を受ける銘柄としても期待されています。ただし東京オリンピックは延期され、観光客の激減で今期の業績はかなり厳しいものになりそうです。

しかし財務状態も健全で来期にはオリンピックが開催予定で、今後観光客の戻りとともに業績も回復してくる事が期待できます。

交通機関関連の銘柄

旅行が活発になってこれば必然的に交通機関の利用も増えてきます。人の移動が増えてきた時に期待できる優良の交通機関関連の銘柄も、コロナショック終息後に回復が期待されるセグメントです。

東海旅客鉄道

JR東海は愛知県を中心に東海地方に路線を持っています。路線の距離で言うとJR東日本や西日本に及びませんが、高収益でJR系列の中でも優良企業として有名です。

製造業が強い地域だけあって、荷物を運ぶ運輸にも力を入れていています。

東日本旅客鉄道

JR東日本は首都圏に多くの路線を持っていて、関東のインバウンド効果も受けてきた企業です。コロナウィルスの蔓延で大きな悪影響を受けましたが、東京オリンピックと拡大するインバウンド効果を受けやすい企業です。それゆえ今後の観光客の回復で、業績の回復が期待できる銘柄です。

JR東日本は首都圏の高収益物件も多数保有しているので、鉄道事業以外でも高い収益性が期待できます。

ANAホールディングス

ANAホールディングスは日本国内で日本航空と並ぶ大手航空会社です。コロナウィルスの影響で大幅な業績悪化で苦しんでいますが、政府支援も受けながら回復していく可能性が高い企業だと思います。しかし今期の業績に関しては壊滅的だと思われるので、東京オリンピックがある来期以降も見据えて投資をするべき銘柄です。

ANAホールディングスの株主優待は非常に個人投資家にも人気があって、株価を底支えするものになっています。優待の内容的に集客にも繋がるので、簡単に廃止にはならないと思いますが、廃止や改悪があれば大きく株価が崩れる可能性があるのでその点は注意が必要です。

旅行関連銘柄は業績や財務にも注意して投資するべき

旅行関連銘柄はコロナショックで特に売り込まれたセクターで、着実に回復できる銘柄を選定できれば逆にチャンスです。しかし業績に大きな悪影響を受けたセクターであるのは間違いないので、財務状況が厳しく業績の回復まで耐えられないような企業は投資対象から外すべきです。

また業績の回復も企業それぞれ違うので投資して放置ではなく、業績のチェックは欠かさないようにしましょう。

こちらの記事もおすすめ

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です