株式投資の基礎知識

高配当銘柄を選ぶ時に注意する3つの事

高配当銘柄は配当さえ維持されれば株価の値上がり益であるキャピタルゲインは得られなくても、まとまった配当を得られるという事で個人投資家にも人気があります。ただ高配当銘柄も気をつけて買わないと得られる配当以上の含み損を抱えて、大きな損失を出す可能性があるのでポイントをしっかり押さえておくべきです。

直近で大きな悪材料が出て高配当になっている銘柄

配当利回りは現在の株価と配当金をもとに計算します。配当金に関しては今期の予想配当または過去の直近に支払われた配当金を使って計算されています。それに対して株価は現在の株価を使って計算されるので、今期の配当は予想通り支払われても来期は減配の可能性が高かったり、今期予想として出されている配当が減配になる可能性が高いと判断されて、株価が先に下がった事で、配当利回りが一時的に高くなっているだけの可能性があります。

配当性向を30%目途にすると公言している企業が、期初時点での会社予想として一株あたり100円の予想を出していたとします。つまり今期は配当金が30円というのが、配当予想になってきます。市場の予想もおおよそこのくらいだらろうと思われていたところで、サプライズ的に大幅減益の下方修正が出たもしくは進捗率的に会社予想の一株利益を出せない可能性が高いと市場が判断したとします。

ここで株価がもともと1000円だった場合で、配当予想通りなら30円の配当があります。これだと利回りは3.3%です。ただし今期の利益が下がる可能性が高いという事で、株価が半分の500円まで下がると一時的に500円÷30円で配当利回り6%になります。

しかし株価が半分の500円まで下落したのは今期の利益が予想の半分程度になって、配当も半分になるなると市場に判断されているからです。実際に下方修正が行われてそのまま本決算を迎えれば一株利益は50円となり、配当は15円になります。

すると500円になったところで買っていても500円÷15円で結局は配当利回りが3%です。

つまり情報サイトや雑誌などで今現在出ている予想配当や直近の配当額を使って計算された配当利回りを信用してしまうと、直近の悪材料に気づく事ができないまま買ってしまうので注意しましょう。

配当性向が高すぎる高配当銘柄に注意

配当性向とは企業が年間に出した利益に対して配当を出した割合の事です。

東証1部の企業の配当性向の平均が30%ほどと言われているので、日本企業で50%以上の配当性向となると還元率が高い企業と言えます。配当性向が100%を超えると最終利益を全て使って、さらに会社の資産を切り崩して配当を出している事になります。

そのため基本的に配当性向が100%を超える配当は、一時的であっても避けて減配する事が多いです。減配リスクを避ける為にも100%に近い配当性向を常に維持している銘柄には注意した方が良いです。

記念配当などで一時的に配当が増えている

銘柄の配当金額や利回りなどを情報サイトや証券会社のツールで調べる人も多いかと思いますが、利回りを調べた時に企業の周年や1部上場記念など記念配当が含まれた直近の配当額から利回りなどが計算されている事があります。

記念配に関しては通常の配当とは別にしてくれている情報サイトもありますが、念の為に決算資料や企業のIRを確認しましょう。

まとめ

株式投資を始めてすぐは情報サイトや雑誌に掲載されている利回りなどを見て投資してしまう人もいるかもしれません。しかしリスクを下げる為には業績などから減配リスクや逆に増配の可能性を探る事が大事なので、今期決算の進捗状況や来期予想なども確認しましょう。

・業績に下方修正の可能性がないか??

・配当性向が高すぎないか??

・記念配などで実際よりも高い配当額で計算されていないか??

最低でもこの3つくらいはチェックしておくと安心です。

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