ファンダメンタルズ分析

日経平均株価の過去のPBRから最低値を予想する

日経平均株価は日本経済を反映する重要な指標として投資している方は普段から気にしているのではないでしょうか??基本的に個別銘柄同様に株価を予想するのは難しいですし、絶対はないですが今回はPBRから日経平均の最低値がどのくらいなのか予想していこうと思います。

先物や上場投信で日経平均に連動する金融商品に資産を入れている人も多いと思うので、投資をする皆さんの参考になれば幸いです。

まずPBRとは??

投資をある程度やってきた人ならわざわざ説明はいらないかと思いますが、一応今回根拠とするPBRそのものの説明をしておきます。PBRとは株価純資産倍率の事です。

株価純資産倍率は株価に対して企業が持っている純資産がどれだけあるかという指標です。例えば株式を100万株発行している企業の株価が1株100円だったとします。100万株×100円なので、この場合は時価総額が1億円になります。

この企業が仮に純資産を1億円持っていたとすると時価総額と会社が持っている純資産が同じ金額になるので、株価純資産倍率は1倍つまりPBR1.0という事になります。

これが純資産が1億円で時価総額が1億2000万円ならPBR1.2になり、純資産が1億円で時価総額が8000万円ならばPBR0.8となります。

(計算式は株価÷1株あたりの純資産もしくは時価総額÷純資産です。)

株式を買うという事はその企業の資産の所有権を得る事でもあるので、会社が解散すれば株主は保有株の割合に応じて会社の資産を受け取る事ができます。純資産1億円で時価総額1億円の企業の場合、1億円で全ての株を取得して会社が解散すれば会社にある1億円の資産を受け取れるわけです。PBR1倍の企業の場合はこのように株の取得額と受け取れる資産がまったく同じになりますが、これが時価総額が8000万円で純資産が1億円のPBR0.8になる会社の場合は8000万円で全株を取得できて会社が解散すれば1億円受け取れます。

つまりPBRが1.0を下回ったら株価よりも1株に帰属する会社の資産の方が大きくなって会社が解散すると儲けが出るくらい割安という事です。そのため基本的にPBRは数値が小さくなるほど割安だと言われます。

なのでPBRは会社の純資産に対して株価が割安か割高かを現す指標だと認識してもらって構わないと思います。

過去の日経平均PBRを調べてみる

過去の日経平均PBRをまず見ていくと

大体20年間くらいの推移になりますが、リーマンショック前にPBR2倍後半までいったが最高値でリーマンショックが起きた後のPBR0.8倍代に入ったところが最低値になります。そこ時々の市況によっても平均値がある程度ブレますが、平常時は1倍前半から高い時でも1倍台後半になっています。

リーマンショックと東日本大震災時の日経平均PBR

赤丸のところがリーマンショック後と東日本大震災後に起きた株式市場の全面安が起きた時の日経平均PBRです。リーマンショック直後は長い間PBR0.9台をうろうろしていて、期間は短かったもののPBR0.8台にも突入しました。2012年あたりの赤丸のところは東日本大震災後に日本市場が冷え込んだ時のものですが、ここでもPBR0.9台をうろうろしていました。

ちなみにリーマンショックは100年に一回の経済危機と言われて、東日本大震災は戦後最大の大震災でした。リーマンショック級の経済危機は人間一人の人生で一回来るかどうかの経済危機だと思いますし、東日本大震災も南海トラフの地震が来ると騒がれていますが普通に考えればマグニチュード9クラスの地震なので日本近海では明治以降初めて起きたくらいの規模の災害でした。

このレベルの経済危機や災害が発生したとしても日経平均のPBRは0.8や0.9が底になっています。実際のところ0.8台にも突入していますが、これらは本当に一周なので実質0.9台までしか下がっていかない感覚だと思います。

では絶対それより下にいかないのか??と言われると相場に絶対はないので、過去そうだったからこれからも絶対大丈夫だとは言えません。ただ過去の数字から最大級の経済危機と災害が起きた時の底値がPBR0.9あたりだという結果は充分参考になるデータだと思います。

ちなみにグラフの2000年代前半にあたる時期はITバブルで日本市場では成長性を期待されてかなり買いが入った時期です。日経平均PBR2倍台というのは後になってみればかなり過剰に買い込まれた結果だったと言えると思います。

アベノミクス相場での日経平均PBR

2011年の東日本大震災時の大暴落を乗り越えてその後2019年現在までアベノミクス相場で日経平均はゆるやかに上がってきて現在は2万円以上になっています。2018年にはバブル崩壊後最高値の2万4245円を付けました。

アベノミクス相場は青丸で囲われているところになりますが、大体PBR1.2から1.5以下で推移しています。東日本大震災後の一番悪い時期は1万円を割っていて、そこから2万4千円と聞くと急激な上昇にも感じます。しかしその間8年ほどかかったわけですし、2011年や2012年は特殊な状態だった事を考えればある程度急激に戻った後はゆるやかに日経平均が上がっていったと言えます。

これらを考慮して考えると市場が暴騰したり、逆暴落している時期以外は日経平均PBRはおおよそPBR1.2~1.5くらいが目安になると考えてもいいのではないでしょうか??

過去の日経平均PBRを投資に活かす

ここに書いた事はあくまでも過去の傾向ではあるので、今後もそうとは限りませんがある程度投資の参考になると思います。

もちろんPBRで株式の株価が決まるわけではないものの様々な要素から市場で決定された日経平均株価は経済危機が起きても0.8から0.9ほどで収まって、平常時は1.2から1.5ほどで推移しています。

それだけで判断するのは危険ではあるものの日経平均PBRが1倍後半から2倍になれば買われ過ぎを警戒して、逆に1.2倍を下回ればチャンスになり得ると考えて買いを入れるポイントを探るようにすると良いかもしれません。

こちらの記事もおすすめ

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です