投資というとまとまった大金がないとダメだと思っている人も多いかと思います。これは半分本当で半分嘘だと思っています。まぁもちろん少額と言っても1000円とか2000円とか極端に少ない額は流石に難しいと思いますが、10万や20万からでも投資をする事はできます。(ただし綺麗な分散投資は基本的に難しくはなります。)
投資は資金が多い方が有利だから少額で無理やりやっても無駄だという人も言いますが、ある程度リスクはあるものの効率良く資産を伸ばす事も可能です。逆に高い利益率を出すという意味では大きな資産を運用する投資家よりも有利に取引できます。
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株式投資では資金量が多いのは武器になる
いきなり冒頭の話と矛盾する内容になりますが、実際株式投資を行う上で資金が多いのは大きな武器になります。その理由はいくつかあってまずは同じ利益率を出しても少額を投資した時よりも大きな利益を出せる事です。さらに資金量が多い事で市場全体が割安状態になっている投資のチャンスとも言えるタイミングで多くの銘柄に投資しやすくなります。
信用取引を利用する時にも大きなメリットがあって証拠金を多く用意できれば一過性の不安売りや一時的に市場が盛り上がって一瞬だけ株価が暴騰してもロスカットに合わずに済みます。これらの理由から基本的には株式投資を行う上で豊富な資金があるというのは有利に市場で戦う為の武器になるのです。
資金が多い方が利益も大きくなる
同じ資金量で少しでも多くの利益を出そうと思ったら利益率を上げていくしかありません。しかし10%から20%さらに30%と狙う利益率を上げていくにつれて取引の内容は少しずつリスクの高いものになってきます。結局はリターンとリスクは比例してくるので、都合よくリターンだけを大きくしてリスクは減らす方法は基本的にはありません。
ただ資金量を増やせるならば話は変わってきます。年間で5%の利益率を安定して出せる手法を確立して取引している人が倍の利益を出そうと思うとその分だけリスクを取った取引をする方法がまず考えられます。この場合は当然損失を出すリスクが高まります。
そこで資金量を倍にする方法で利益を倍にする事を狙った場合はそれまでと同じ手法で取引しても利益を倍にする事が可能です。資金量を増やす事で利益を増やしにいけばリスクの高い投資手法に切り替える必要がないので、それだけ資金が多い事は株式投資を有利にします。
多くの人に馴染みのある銀行預金で例えるとより分りやすくなります。
金利1%の銀行A社
Aさん 預金額 1000000円
Bさん 預金額 2000000円
この預金が1年後には
Aさん 預金額 1010000円(金利10000円)
Bさん 預金額 2020000円(金利20000円)
今時普通預金で金利1%とかありえないという突っ込みがきそうですが、ここは分りやすく1%にさせてもらいます。同じように元本が保証される銀行預金にお金を1年間預けても資金量が2倍違うAさんとBさんでは同じリスクをとって同じ時間保有する資産を拘束されても利益は2倍差がつくわけです。
これは銀行預金に関わらず投資でも一緒なので、資金量が多いほどリスクを高めずに多くの利益を得られると言えます。
投資するチャンスで一気にポジションが取れる
市場全体が落ち込んで必要以上に株価が低く抑えられてる銘柄が大量に放置されるタイミングがあります。そうしたタイミングでは普段は割安な株価でポジションを取れない銘柄も割安な金額で買えるわけです。しかし資金量が少ないとこのチャンスで本来仕込みたいと思っていただけ仕込む事ができなくなります。
そうしたチャンスはそう頻繁にあるわけではないので、遭遇した時は迷わずポジションを取る事で大きな利益に繋がるわけです。しかしそこで資金量が少ないとなると諦めるかかなりリスクとリターンのバランスを崩すくらいに信用取引を使うしかなくなります。
チャンスでしっかりポジションを取って将来の利益を取りきる事ができるという点でも資金が多い投資家は少ない投資家よりも有利に市場に参加できていると思います。
株価の一時的な暴騰や暴落に影響されなくなる
市場は最終的には各銘柄の本来の価値に落ち着くと良く言いますが、逆に言えば本来の価値とは大きく乖離して暴騰したり、暴落するのが株式とも言えます。だかこそ上記のような市場全体が割安でポジションを取る大チャンスが訪れるわけです。
現物のみで株式投資をしている場合は一時的な大暴落や大暴騰があっても倒産や上場廃止にならなければポジションを失う事はないので、一時的なものならばいずれ戻ってダメージは実質ありません。しかし信用取引を行っている場合は一時的な暴落や暴騰によってロスカットにあって大きな損失を出す可能性があります。一時的なものだから証拠金を追加で入金して落ち着くまで待とうとしても資金がなければそれもできません。
資金がある事は市場の大混乱に巻き込まれて取り返しのつかないダメージを受けない為の保険にもなるので、資金量の多さはこうした面でも有利に働くわけです。
株式投資は資金が少ない方が有利な環境で勝負できる
ここまで資金量が多い方が株の投資は有利という事を書いてきてタイトルと違う内容になっていますが、資金量が多い事が有利に働くというのも事実です。ただ資金量が少ない事で大きな資金を運用する投資家にはない優位性があるのも事実なのです。
それは低位株に投資ができるという事です。
低位株とは市場全体の平均と比べて株価が低くなっている銘柄の事を言います。あくまでも株式の価値が相対的に抑えられているものなので、1株あたりの金額が低い銘柄=低位株ではありません。
この低位株投資がなぜ資金量が少ない投資家に有利なのかを順番に見ていきます。
最低投資額が少なく済む
低位株はあくまで1株あたりの株価が低い事ではないと言いましたが、多くの低位株は1株あたりの株価が1000円以下や500円以下になっている事が多いです。個別銘柄は基本的に100株から取引されていて、これを最低単元数と言います。
最低単元数が100株であるので1株1000円以上の銘柄は最低でも10万円以上の資金がないと投資できません。資金量が少ないとせっかく企業価値の割に割安な銘柄を見つけたり成長性の高い企業を見つけても1株あたりの株価によっては諦めないといけない銘柄も出てきます。またただでさえ資金量が少ない投資家は分散して銘柄を持つ事がしにくいのにさらに分散投資がしにくくなります。
低位株は最低投資額が低めに抑えられるので、資金量が少ない事で起きるデメリットを極力受けずに済む事が最大のメリットです。これは資金量の多いの投資家に比べて優位性がある事ではありませんが、資金量の少なさがデメリットにならないというのは大きいと思います。
資金量が少なければ好きな時に売買を成立させられる
低位株は全体的に出来高自体も少なくなっていて一部市場に上場されている大手企業や注目の成長企業と比べると売買自体が少なくなっています。その為資金量が多い投資家は投資をしても保有する大量の株数を好きな時に買ったり売ったりしにくい為に出来高が少ない銘柄は避けられる傾向があります。
しかし資金量の少ない投資家にとってはそんな事は関係ありません。株式の流動性を気にせずに取引ができるので、単純に投資するのに割りの良い銘柄を選んで投資できるメリットがあります。
機関投資家や熟練の個人投資と競合しない
低位株は時価総額も大型株と比べると低い上に出来高も少ないので、大きな資金を動かす投資家があまり参戦してこない銘柄です。大きな資金を動かす投資家には熟練の個人投資家や金融機関やファンドの機関投資家が多くいます。これらの投資家と渡り合っていくのは大変です。他の市場参加者と駆け引きが必要なデイトレードはもちろんですが、中長期的に企業価値が上がったり、実際の価値と株価のギャップを取りにいくトレードでもスキルの高い投資家が多くいる環境で投資をして利益を出すのは楽ではありません。
その点低位株が多い新興市場や2部市場には1部市場の大型銘柄と比べると機関投資家や大口の個人投資家が少ないので、企業の収益力や資産や成長性と比べて割安に放置されている銘柄も多いです。また出来高が少ない分だけ一時的に売られ過ぎたり買われ過ぎてチャンスが訪れる事も多いので、低位株が多い市場を主戦場にできるのは一つのメリットと言えます。
低位株には大化けする銘柄が多数存在する
株式には値幅制限といって短期間に激しい株価の変動を起こさないように値動きに制限をかける制度が存在します。制限を超えればその日の取引はそこで止まってしまうのでそれ以上は値動きしません。その為短期間での値動きはある程度の範囲で安定します。
ただこの値幅制限がパーセンテージでいうと時価総額が高い銘柄よりも低い低位株の方が幅が広いので、買い圧力が増した時に一気に株価が上昇しやすい傾向があります。
さらにある程度成熟した市場で大きなシェアを持っている大きな企業よりも新興企業や新興市場で成長を続ける企業の方が大きく成長しやすいです。
その結果大化けして2倍や5倍やテンバガーと呼ばれる10倍株も低位株からの方が出現しやすいです。資金量が多くないうちは数倍のキャピタルゲインを獲得する事で大きく資金を増やせるので、低位株には大きな魅力があります。
まとめ
資金量が少ないうちは豊富な資金を持っている投資家と比べて不利なる部分も多いのは事実です。だからこそ低位株のメリットである
・数倍の株価上昇を狙いやすい
・機関投資家や大口の個人投資家などの参入が少ない
・低資金からでも投資しやすい
これを活かして資金を増やしていくべきだと思います。資金量を少しでも早く増やしていければ豊富な資金がないとなかなかできない投資方法にもチャレンジできるので、自分の資金量に合わせて少しでも有利な環境で市場に参戦すると良いでしょう。