最近株式系の雑誌を読んでいてちょっと気になった事がありました。
やっぱり高配当銘柄って多くの個人投資家に人気があるようで、高配当銘柄ランキングとか優待銘柄ランキングみたいな企画を雑誌なんかで良く見かけます。読み物としてはなかなか面白くて良いのですが、問題なのはランキングの方です。
配当や優待が改悪される可能性が高い銘柄
配当利回りや優待利回りが高い順にランキングを載せていたりするのですが、上位の銘柄って殆どのケースで減配、無配もしくは優待改悪、優待廃止の可能性があるような業績不振銘柄が多いです。
単純に直近の配当や優待に対して現在の株価で利回りを出しているので、一見すると凄く利回りの良い銘柄に見えます。ただしそこまで売り込まれてるのは、直近の業績が悪くて配当や優待が削れるか無くなるリスクがあるからです。
確かに投資は自己責任ですが何も分からない初心者の人を引っかけるような悪質なランキングのようにも感じます。作ってる人も正直分かってると思うのですが、分かっててやってるならちょっとどうかな??と思うところです。
安易に銘柄を選んで罠に引っかからない為に
しっかりやってるメディアの企画を罠とか言いたくないですし、そういう意図があるとは思っていません。でも結果的に高配当ランキングを見ただけで買ったら、一度もそこに書いてある配当を受け取れずに含み損を抱える可能性が高い状態になってしまう以上は、そうならないように気をつけないといけません。
株式投資に慣れている人からしたら、そんなので勘違いして買ったりしないと思います。
ただし初心者の人はこういうランキング形式で銘柄を紹介するコンテンツは充分注意して参考にしないといけません。
業績は絶対確認してから買うべき
もうこれはテクニカルを使った手法でもなければ、基本的に必須です。大幅な減益や赤字転落があると減配や無配になる可能性はどうしても高くなります。企業によっては配当性向を固定で決めているような企業もあるので、そういう企業だと基本的に減益となると配当額自体が減らされる可能性があります。
直近の決算短信で業績の推移を確認しながら、決算説明資料や中期経営計画から配当方針を調べて今期の減配リスクをしっかり確認してから購入するべきです。
株主還元の癖を知っておく
減配リスクは確実に回避できるものではありませんが、投資先の企業の傾向を知っておく事で、ある程度優待の改悪や廃止に備える事ができます。過去の適時開示情報を調べて過去の業績悪化時に優待の廃止や改悪がなかったか、調べておくとその企業の癖を知る事ができます。
企業によって最終益が赤字になると優待を廃止する企業もあれば、多少悪くなっても維持する方針の企業もあるからです。優待も配当も株主還元という意味では同じですが、少し業績が悪化すると配当は減配するが、優待は赤字転落しても維持するなど傾向を知っておくと売り買いの判断材料にできます。
まとめ
投資初心者の方だとまずは株式関連の雑誌、情報サイト、証券会社のサイト等で公開されているおすすめ優待銘柄や優待利回りランキングから選んですぐに買ってしまう人も少なくないかもしれません。
優待配当ランキングのようなものだと直近の業績悪化による改悪リスクなどは無視して、直近の優待内容と現在の株価から優待利回りを出している事が多いです。つまり将来の業績悪化と優待改悪を見越して下がった株価と前期の優待内容で計算された優待利回りで、上位にランクインしている銘柄もあるわけです。
これらの情報で銘柄を知るのは良いですが、利回りが良いなら買いで良いや。という安易な判断はせずに、改悪のリスクがないか直近の決算短信や決算説明資料などを確認するべきです。