ファンダメンタルズ分析

倒産しない株式銘柄を選ぶ方法

みなさん株式投資をする時に「この株が100倍や200倍になった良いなぁー」と思いながら投資するかもしれませんが、基本的に上場後に100倍や200倍になる銘柄はまず見つかりません。100倍どころかテンバガーと呼ばれる10倍株ですら簡単に見つけられないわけですから100倍や200倍という銘柄はまず見つかりません。

10年や20年というスパンで考えれば10%の利益が出せれば相当優秀な投資家と言えるので、逆に持ち株の株価が半分以下になったり倒産して紙切れ同然になるとかなり大きな痛手になります。そう考えると株式投資をする上で倒産しない銘柄を選ぶ事はトータルでの利益をあげる事に繋がります。企業が倒産するパターンというのはかなり多いですし、絶対この先も大丈夫というのは誰にも分りません。

ただしある程度指標等でその企業の倒産リスクを知る事ができるので、倒産リスクの低い銘柄を選ぶ簡単な方法を今回は紹介していこうと思います。熟練者からしたら当たり前のレベルの話かもしれませんが、あまり考えた事がなかったという方の参考になれば幸いです。

ここで紹介する方法は誰でもすぐ確認できる簡単な方法ですし、会社四季報にも載っている情報で充分なので特別な情報が必要とかでもまったくありません。

自己資本比率から債務超過の可能性を察知する

企業の中には負債がない企業も一部存在しますが、基本的には負債と資産を持っています。ただ負債が資産を上回ってしまって全ての資産を処分しても負債が残るような状態の事を債務超過と言います。債務超過に陥らないように企業の経営者は会社を運営していくわけですが、経営不振などが原因で上場している企業でも債務超過に陥る事があります。

債務超過に陥ると上場廃止になったり、会社自体が倒産してなくなる可能性があるので株式投資をする時にそういう企業は絶対に避けたいわけです。もちろん債務超過=即倒産ではないものの新たな資金調達ができなくなったり、取引先から不信感を持たれて事業継続が難しくなる事が多いです。

自己資本比率から倒産リスクを知る

自己資本比率とは

企業が持っている総資本うち自己資産の割合がどれだけあるかという指標の事です。計算は自己資本 ÷ 総資本 × 100で計算できます。

まず総資本の中には他人から借りている資本と自己資本があります。銀行から借りている現金などは他人から借りている資本なので、自己資本にあたりません。会社は出した利益の中で最終的に余剰として残った現金を内部留保して現金として持っていたり、不動産や証券にして持っています。このような資産は人から借入ているものではないので、自己資本になります。

例えば総資本1億円で自己資本が5千万円の企業があったとすると

50000000÷100000000×100=50

自己資本比率は50%となる

このように計算できます。

一応計算方法を覚えても良いかもしれませんが基本的に会社四季報にも自己資本比率は記載してありますし、様々な投資サイトで各銘柄の自己資本比率を確認できるので自分で計算しなくても大丈夫です。

自己資本比率は高いほど総資本に占める自己資本の比率が高く、自己資本比率が低くければ総資本に占める自己資本の割合が低いわけです。自己資本比率は高い方が債務超過の危険性は低くなるので、株式投資をする時は自己資本比率が高い企業の方が安全性が高いと言えます。

自己資本比率50%以上=安全

自己資本比率30%以上=そこそこ安全

自己資本比率10%以下=危険

自己資本比率に対するリスクの捉え方は人によって違いますが、一般的には上のように50%以上で充分安全圏で30%以上あればとりあえず問題ないと言われています。逆に10%を下回ると危険な水準です。10%となるとそのタイミングで急に業績が悪化したり、経済危機や自然災害など一時的に事業が上手くいかないだけで会社が危機的な状態になる可能性があります。

とは言っても大化けする銘柄には10%台の銘柄も少なくないので、僕は30%以上ないと絶対投資しないというほど厳しい判断をしていません。しかし流石に魅力がある企業だと思っても自己資本比率が10%前後の場合はよほど他に良い材料がなければ敬遠する事が多いです。

成長銘柄は自己資本比率が低くなりがち

自己資本率から安全圏の目安を作る事で自分が投資した株式が紙切れになるのを予防する事ができるわけですが、これを一律の基準を全ての銘柄に当てはめていると逆に効率が悪くなる可能性があります。業種によっても自己資本比率が全体的に低い業種もありますし、逆に高い業種もあります。また成熟した企業か成長企業かによっても違いが出てきます。

自己資本比率の基準を一律で適用して投資判断をしていると大きく成長する株を取り逃がしてしまう可能性があるので、投資する株の性質によってある程度柔軟に適用するのがおすすめです。

成長企業は事業を大きくする為に先行投資を行っていく傾向にあるので、社内に資本を溜め込んでいる余裕があるなら投資していく事が多いです。そうなると自然と自己資本比率は低くなる傾向があります。逆に成熟していてリスクを犯して拡大していく必要がない企業は積極的な設備投資等をしない事が多くて結果的に資本が手元に残って自己資本比率が高くなりやすいです。

もし投資を検討している企業が主力事業自体が成長産業で企業自体もこれから成長する企業である場合は少し自己資本比率の基準を低く考えて投資するか判断すると良いです。とは言え自己資本比率があまりに低いと危険なので、「積極的に事業投資を行っているから自己資本比率を無視してもいいや」と考えるのはやめた方が良いです。逆に主力事業も成熟した産業で企業自体もある程度成熟した企業に配当狙いなどで投資を検討している時は自己資本比率の基準を少し高くして投資するか考えると良いでしょう。

営業キャッシュフローに注意して株に投資する

営業キャッシュフローとは

企業が営業活動が行う上で発生するキャッシュの変動を示す指標です。営業キャッシュフローを確認する事で企業のお金の流れを知る事ができます。

企業は営業活動をする時に他の企業から原材料を買ったり、サービスを買ったりします。その上で自社の製品やサービスなどを売って最終的に利益を出そうとします。企業が何かを買ったり売ったりする時はリアルタイムで現金払いが行われるわけではないので、収入と支出を見ると収入の方が多いはずなのに入ってくる現金より出ていく現金の方が多い状態になる事があります。つまり充分黒字経営になるはずがお金が入ってこなくて資金繰りが難航して事業が継続できなくなる可能性もあるわけです。

営業キャッシュフローがマイナスだといざという時に倒産するリスクがあるので、投資対象の銘柄を選ぶ時は営業キャッシュフローがマイナスの企業は注意した方が良いです。営業キャッシュフローはプラスが多いほど自由に動かせるフリーキャッシュが増えて事業がやりやすくなるので、営業キャッシュフローはプラスが多いほどより良いです。

僕の場合は営業キャッシュフローがマイナスの企業に絶対投資しないと決めているわけではありませんが、営業キャッシュフローがマイナスになっている企業に投資する時はリスクがあると覚悟しています。基本的には営業キャッシュフローはプラスである企業に投資した方が安全だと言えるでしょう。

事業継続が難しい企業は選ばない

収益性も高くて財務状態も良好でずっと成長を続けているような企業でも急に上場廃止になったり、主力の事業が継続できない場合があります。どういう状況かと言うとこれまではギリギリ合法であったが、倫理的に問題があって社会問題になった事で事業継続ができない場合や法整備で同じように事業が継続できない場合です。上場企業ではまずありませんが、極稀にそうした事案が発生する事があるので注意しましょう。

それ以外にも事業自体に問題がなくてもその方法に問題があって、顧客とトラブルを起こしたり行政から処分を受けるケースや不正が摘発されるケースがあります。その後上場を維持した状態で事業を継続する場合も珍しくありませんが、このような銘柄に安易に飛びつくのは危険です。というのもそれまでの高い利益率自体が問題された営業手法や不正ありきのものだった場合は問題を改善して再び事業を継続しても以前のような高い利益を出せるとは限らないからです。

どうしても不祥事等で大きく株価を下げた銘柄が復活を果たすのを見ると逆張りして大きく利益を出したいという考えになりがちです。しかしそれ相応のリスクがあるので、リスクを把握して投資判断をするべきです。

倒産しない銘柄の選び方まとめ

①自己資本比率が30%前後ある銘柄に投資する

②営業キャッシュフローがプラスの銘柄の投資する

③事業継続ができない可能性がある企業には投資しない

①自己資本比率が30%前後ある銘柄に投資する

これは企業の特性にもよりますが、30%前後以上ある銘柄を選んでおく事で倒産リスクをある程度抑える事ができます。当然株式を購入した時に自己資本比率が30%以上でも赤字を垂れ流していると自己資本比率が低下してくるので、長期投資する時は投資後の変化にも注目しましょう。(そもそも赤字が継続する企業はおすすめできません)

②営業キャッシュフローがプラスの銘柄の投資する

売上はあるのに資金が回らない事で事業の継続が厳しくなる企業では投資しても最悪の場合倒産して持ち株が紙切れ同然になる可能性があります。一時的なものなら問題ありませんが、基本的には営業キャッシュフローがプラスの企業を選んで株式投資すると良いです。

③事業継続ができない可能性がある企業には投資しない

いくら成長していて高い利益率が出ている企業でも法的または倫理的に事業の継続が難しかったり、不正が見つかった企業の株式を安易に買いにいくのは危険です。必ずとは言えませんが、それまでの優秀な業績自体が不正ありきの場合は問題を改善して事業を継続しても以前のような利益を出せない事もあるからです。

ひろすけ
ひろすけ
かなり簡易な方法だけど参考にはなると思います。
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