株式の銘柄分析

おすすめの高配当株5選(高配当株のメリットや特徴)

昔からアメリカ株と比べると日本株は配当性向が低くて、配当狙いの投資には向いていない傾向がありました。ただし近年は日本の上場企業の中にキャッシュリッチ企業が多くなった事や株式の持ち合いが減った事で、配当性向がどんどん上がっています。

現在では上場企業の配当性向は平均で30%まで上昇していますが、欧米や欧州と比べるとまだまだ企業が利益の中から配当に充てる割合は少ない状態です。

今後さらに日本株の配当が上がっていく事が予想されるので、高配当株は近年注目度が上がっています。

高配当銘柄のメリットと特徴

高配当銘柄は全体的に成熟した規模の大きな企業の方が多いです。というのも安定して高い配当性向を維持しようとすればある程度安定した財務状況で安定して利益を出せている企業でないと難しいからです。

積極的な成長戦略を取りながら高配当を出している企業もありますが、どちらかと言うと高配当株にはディフェンシブ銘柄と言われる安定した大型銘柄が多いのが特徴です。

高配当銘柄のメリット

①安定してインカムゲインを得られる

配当が出る時期は決まっていて、おおよその配当額も予想できます。当然業績の悪化に伴って急に減配が発表される事もありますが、株価の上昇と下落によってもたらされるキャピタルゲインがメインの投資よりも安定した収益を得られます。

②投資した企業から実益をすぐに受け取れる

保有銘柄の企業が出した利益から配当を出さずに全て内部留保に充てたとしても最終的に株式に帰属するので、理論上株主が得られる利益は同じです。

しかし現実的に企業が内部留保を増やして続けて、ある日当然会社を清算するという事は殆どありません。そうなるといくら内部留保は株主の株に帰属すると言っても、その利益を手にできるのはいつなのか不透明です。

もし配当を削った分を人件費や設備投資などに充てたとしてもそれが必ずしも業績に直結するとは限りません。

そう考えると株主の手元に確実に利益を配分する配当は分かりやすく株主の利益になるメリットがあります。

もちろん利益の殆どを株主のへの配当に充ててしまうと、設備投資や人員の拡充など企業の成長の為の投資ができなくなるという意見も正しいと思います。

それでも確実に株主の利益になる配当を出しているというのは1つのメリットだと言えます。

高配当銘柄のデメリット

①利益を分配するので設備投資等に資金を使えない

企業は出した利益を再投資して設備や人員などを拡充していきます。これによって企業は成長して売上高や利益が増えていきますが、高配当の企業だと事業に投資する資金が少なくなる傾向があります。結果的に高配当であっても企業成長はそれほどせず、株価自体は伸び悩む可能性もあります。

②減配をきっかけに株価が暴落するリスク

企業は業績は悪化すると配当や株主優待を廃止したり、減配をして対処します。高配当企業の株価は高い配当によって底支えされている場合があります。高配当によって底支えされている銘柄がいざ減配となれば、一気に株価が暴落するリスクもあるので、高配当銘柄の減配リスクはしっかり頭に入れておかないといけません。

おすすめの高配当銘柄5選

高配当の銘柄がたくさんあるなかで特に良いと思った銘柄を5つご紹介します。ただし確実に利益が出るとは限らないので、あくまで参考程度にお願いします。

①日本たばこ産業

JTと言った方が聞きなじみがあるかもしれません。国内唯一のたばこメーカーで医薬品や食品なども扱っている企業です。先進国ではたばこの需要は下がっていますが、M&Aで海外展開していきたばこの需要がある地域での販売も拡大しています。

たばこ産業というと斜陽産業と言われますが、国内企業で考えると独占状態にあるのと商品の特性上ある程度ユーザーを繋ぎ止められるので今後も安定した収益が見込めます。実際株価は好調と言えませんが、業績自体は安定しています。

安定した業績と豊富なキャッシュがある中で株価が上がらない事で、利回りは2019年11月時点で6%を超えています。配当性向は7割まで上がっているので、増配が続いているとは言っても今後も今までと同じように増配が続くとは言い切れないところです。とはいえ安定した業績と大きな資産と配当利回りを考えれば、かなり魅力のある銘柄です。

②武田薬品

武田薬品は2018年に大手製薬会社のシャイアーを6兆8000億円(国内企業最大のM&A)で買収して世界でトップ10の売上高に入っています。国内では首位の製薬会社ではありますが、シャイアーの巨額回収によって、最終益は落ち込んでいます。

しかしシャイアーの買収は将来的に武田薬品の利益に大きく後継してくる可能性があるので、今後の成長に期待です。逆に言うと当時の武田薬品の時価総額を超えるような買収をしたので、上手く活かせなかった時のリスクもあります。そのため長期投資しながらこまめに業績には気を配った方がいい銘柄だと思います。

③三菱商事

三菱商事は大手総合商社で、三菱グループ内の中核企業になります。ここ数年増収増益を続けながら安定した利益を出し続ける企業です。近年かなり早いペースで増配を実施していて、株主還元に積極的になっています。

17年に80円だった配当金は18年に110円で19年には125円となり、3年で50%以上の増配となっています。増配に関しては業績次第というところもありますが、基本的に株主への還元には積極姿勢なので、配当狙いで長期投資するのに良い銘柄かと思います。

④住友商事

住友商事も三菱商事と同じ大手総合商社です。業績的にもここ近年増収増益が続いていて、安定した業績を出している企業です。商社は高配当の銘柄が増えていて、住友商事もその1つです。配当性向は30%ほどなので、上場企業の平均的な配当性向ではあります。

しかし2019年11月時点では配当利回りが5%を超えていて、ある程度経営状態が安定している事を考えると魅力的な高配当銘柄です。

⑤モーニングスター

モーニングスターは投資信託運用と投資信託データ販売と投資セミナーを主力事業にしています。投資をやっている人ならば見たことがある人もいるかと思いますが、株式新聞という投資情報紙もモーニングスターが発行しています。

ここ数年は連続増配が続いていて、配当性向も8割から9割ほどまで上昇しています。これだけ高い配当を維持しながら毎年増収増益で、業績の成長も順調なので長期に渡って投資できる銘柄です。

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